blogとその他コミュニケーションツールの比較
以前、梅田望夫氏とGoogleのIPOを巡って真っ向議論を交わしていた磯崎哲也氏が、blogとそれ以外のコミュニケーションツールの比較分析を行っている。
Blogによるコミュニケーションの変化(仮説) [isologue 2004/5/31]
Blogによるコミュニケーションの変化(仮説)その2 [isologue 2004/6/1]
まず、わたしが「面白いな」と思ったのは、磯崎氏の作成した図解に「メーリングリスト」はあっても「メール」が存在しないこと。これは業務上のコミュニケーションの多くをメール(電話より多い)に依存している身としては、不思議な感じがした。“コミュニケーション・ツール”としてでなく、“メディア”としての論議であれば「電話・IM」が入るのはおかしいしね。もしかしたら“(複数人による)コミュニケーション”が前提なので、狭義の「メーリングリスト(名詞)」でなく、「メール」を含めた意味で使ってるのかもしれないけど。「掲示板」ではなく「2ch」という呼称を使ってるぐらいだし(笑)
自分の利用シーンをこの図に当てはめて考えると、メールは1対1の双方向コミュニケーション・ツールとしてより、TO/CC/BCCを使い分けた複数の相手とのコミュニケーション&コラボレーション・ツールとして使っていること、それから携帯電話でのメールがIM的位置付け(これは個人的友人との連絡が多い)にあること、の2点が加わる。IMそのものは会社でセキュリティ上の観点から今のところ採用されてないので、ほとんど使ってないです。改善点があるのはわかってるけど、現状こんな感じ。
それから、磯崎氏のEntryのなかで興味深かったのは「メーリングリスト」と「blog」の比較。わたしはメーリングリストはそこから得る利よりも労力への負担感が強くてほとんど使ったことがないのですが(ここでも社交性のなさを発揮)、前述の通り会社メールではメーリングリスト的利用をしているので、大体のところは重ねて考えられる。
読みたくも無い長文のメールを送りつけられるほうは「スパム」と同じです。また、そう思うと遠慮して発言を控えてしまう人も多い。メーリングリストは、個々人の情報発信意欲に「我慢」を強いる媒体ですね。これは本当にその通りと思う。世の中でこれだけblogが注目されてるのは、単純にブーム(およびブーム化したい人達の煽り努力)だけではなくて、ツールとしての利に多くの人が気づいているからだ。ブログのサイトをはじめて見た時に、「こんなどこの誰が書いたかわからないダラダラした文章を読みたがるやつがどれだけいるんだろ?」(ブログなんて、そんなにはやんないんじゃねーの?)と思いましたが、実は、「そんなこと」でも書けてしまう「自由度」というか「マイペース度」がブログのいいところなんだと気づいてきました。
それが面白いと思う人もいるわけで。「絞込み」は「エージェント」がすればいいわけです。
blogの影響をマクロで見た場合、「あえてディスカッションしなくても、相手が今何をやって今何を考えているかがわかってしまう」、という効果があるかと思います。そうそう、ここのところも大きいです。今のところ、メールでだいたい大丈夫(な人数に留まったものが多い)ですが、それでもときどきメールが飛び交いすぎてわけわからん状態になったりしますね。
ところで磯崎氏は図解時の尺度として、“オープン/クローズド”、“パッション型/じっくり型”を軸としていますが、もうひとつ軸となり得る事項として情報をこちら側(Local、またはそれに準じる環境)に置くか、あちら側(Webの向こう、非Local環境)に置くか、ということが影響している気がします。例えば、わたしはメールを多用している代償として年がら年中メールの整理をしていますが(幸い悪影響というほどオーバーフローはしていません)、これは“こちら側”に置いているからです。Google=my辞書、my図書館という例えがありますが、これは“あちら側”に置いていることの利を最大限生かした方法です。Webで見つけた情報をひとつひとつ全部Local環境に落として保管・管理するのはかなり手間のかかる行為ですから。
ここでblogは、というと“こちら側”と“あちら側”のほどよいMixと言えるのではないでしょうか。わたしの利用するTypePadはWebホスティング&ASPサービスですので、“こちら側”的利用でありながら、“あちら側”に置いておけるわけですし。“あちら側”で見つけた情報はLINKするか、重要なものは引用できる。考えようによっては、blogの登場によって革新的な使い方が発生した、というよりはむしろ、過去の技術革新によって“こちら側”と“あちら側”の境界があいまいになり、環境が整ったところへ登場すべくして登場したツール=blogなのかもしれません(もちろん、開発側などにとっては当たり前のことと思われるかもしれませんが、マクロ的な位置付けとして)。



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