Blaster騒ぎで社会的に認知が広まったのは、セキュリティホールというものに関連する"実害"の実例と、自衛の必要性の2点だと思う。が、個人的には少し前から気にしていた「PCにおけるダウンタイム」に最注目。
そもそもミッションクリティカルなシステムにおいてはダウンタイムはあってはならないもの、PCっていうのは「いやーん、また落ちたー」なんてのどかなものだった。が、これだけPCが通常業務において必要不可欠なものになってしまうと、PCのダウンタイム=企業の損失、の深刻度は増してると思う。例えば今回Blast.Dが社内で大増殖してしまったため、駆除ツールを入手するまで情報が錯綜していたこともあり、私のマシンも漏れなく再感染・再削除を繰り返した。少なく見積もっても3〜4時間は損したと思う。つまり1人3時間換算とすると、企業では100名あたり300時間の生産を失ったことになる。
ウィルスに限らず、ダウンタイムの「発生」を未然に食い止める努力をすることは当然のことながら、今もっとも必要なのは「すみやかな復旧」なんじゃないかな。サプライサイドでは少し前から打ち出されていたものの、ユーザーサイドでは不況のせいもあって『転ばぬ先の杖に投資する金はない!』てなもんだった。が、しょっちゅう落ちるPCだからこそ『対策しといて良かった〜』となる(投資回収できる)可能性も高いと思うんだけどな。このあたりユーザーの意識が変わってくるといいんだけど。