以前、Vaio type Xを見て、「あれがPCである必要性ってどこにあるの?」と言ったことがある。その発言のウラにはCoCoonとPSXとスゴ録が出てた時のような、Sony社内のセクショナリズムも一因なんじゃないか、という気持ちもあったわけだけど、このニュースでちょっと見方が変わった。
ソニー、ネットTV事業を強化・ノートPCにも展開へ (NikkeiNet)
従来、小型液晶テレビの専用端末に限定した機能だったが、ノートパソコンでも視聴できる専用ソフトを開発した。海外出張の機会が多いビジネスマンなどの需要を掘り起こす。まず来年、ネットテレビの需要が立ち上がってきた米国で専用ソフトを投入する。
つまりエアボードの機能をPCにのっけていきますよ、ということなのだが、そうするとノートPCをエアボードとして使えるということになる。以前には「あれがPCである必要性ってどこにあるの?」って言ってたわけだけど、そうじゃなくって「PCである必要のないものに、PCサイドからアプローチすることが、SonyにとってのVAIO事業のミッションなのだ」と。まあ、VAIOの語源(AVとデジタル=01の融合)自体がそうなのですが、コンセプトが忘れられていたのはわたしがボケていただけじゃなくて、Sonyの戦略がブレていたため、ってのが実際のところでしょう(自己弁護)。
しかし、ということは、その成否は"AVへのPCサイドからのアプローチは成立するのか?"という業界全体の命題とつながるので、苦しい道のりであることには変わりはないし、このアプローチを成立させてしまうとSonyの企業としての差別化要因を削ってしまうことになるので諸刃の剣であるとも言える。ただし、SonyのConsumer Electronics事業というのもいよいよ苦しくなってきていて、Sonyの戦略ミスという面も確かにあるのであろうけど、事業性としてのLife Timeが終盤に近づいているのかもしれない。
そう考えていくと、今現在お荷物扱いのSonyのVAIO事業ですが、実はSonyの未来の一角を担う存在なのかなあ、と。少し、いろいろなことを考え直す必要がありそうです。
情報ソースは記憶の外ですが、VAIO事業には資源を集約させていた印象があります。状況が変わった感じがしますか??
Posted by: SW | December 28, 2004 at 01:24 AM
>VAIO事業には資源を集約させていた印象があります
そうですかー。VAIOはPSPや(投入前の)PSXのように全社を挙げて「Sonyの将来」を魅せる製品という位置付けではなかったように感じています。事業再構築策の中で縮小させるものとの対比や、VAIO第2章といって新製品を続々投入したりはしていたことからは、資源集約ともとれるのかもしれませんが、攻めの姿勢でそうしていたようにはあまり見えないんですよね。あくまで個人的感想ですし、複合的な企業ですので、見る角度によると思います。
Posted by: kush | December 29, 2004 at 02:18 PM