表題は、先日Carly辞任後にhp退職(とAppleへの転職)が公にされたAllison Johnson氏(この人も美人だ・・・)が仕掛けたコーポレートキャンペーンであると同時に、今わたしがCarlyなき後のhpの行方について聞かれた時に最初に答える言葉でもあります。
昨日のEntry、Lost your way, hp?の続きを今日昼間考えていて、後でEntry化しようと思っていたところ、コメント欄でSWさんが教えてくれた記事に、考えていたキーワードそっくりの表現があった。
まずは日中考えていたことのひとつめだが、創業者の息子を敵にまわしたCompaq買収劇や、その後の大リストラのインパクトがあまりに強いため、Carlyの「したことの成否」でのみ語られがちだが、問題の本質はむしろは彼女が「したこと」ではなく、「しなかったこと」「できなかったこと」にあるのではないかということ。
In addition, HP balked at a major acquisition to bolster its money-losing software business. In 2004, HP had considered acquiring Veritas Software but didn't move quickly enough, according to current and former HP execs. In December, Symantec (SYMC) gobbled up the profitable software company -- leaving some HP directors unhappy.
(BusinessWeek / The Inside Story of Carly's Ouster)
とあるようにごく最近Symantecに取られてしまったVeritasの一件は、PwC買収の失敗を彷彿とさせる。つまるところ、「しなかったこと」「できなかったこと」があることで、hpのあるべき姿というジグソーパズルがいつまでたっても完成しなかったことが、現在の中途半端さにつながっていると考えることもできる。
もうひとつ考えていたのが、前述の記事とマッチしたキーワードだが「懐古主義がhpを滅ぼす」というもの。記事中では「backward looking culture」と記されている。あまりにぴったりで一瞬驚いたが、hpに対して同じような感想を持つ人がいることは、よく考えたらさほど驚くべきことではないだろう。仮に今後のhpがエンタプライズにコアをおいたとしても、それは昨日引用したBWの記事のように「DellやIBMに対抗し得るよう、削ぎ落とせるものは削ぎ落とし、極限まで効率化を進める」というもので、HP Wayとは根本的に異なるものだ。Carlyが去ったことで古き良きHP Wayの復活を願う社員もいるようだが、そうした空気が社員を包んだままでは改革の足かせとなり、hpという企業の生き残りにとっては危険要素となる。hpの新CEOに求められるのは、こうした社員の目を覚まさせる強烈な、ある意味Carly的な人物だ。幸いhpの取締役会はこうした必要性に気づいているようなので、新CEOの人選を楽しみに、Carly辞任の影響については(新たな動きが出てくるまでは)この辺りにしておこうと思う。
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