この本に出てくるおばあちゃんは言う。「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」
自分を大切にすることと甘やかすことの違い、本当に強くなることと自分を殺して我慢することの違い、そういう大事なことを優しく思い出させてくれる本。
以前、別のルールというEntryでも同じ主題に触れているんだけど、もう一度。
自分が浮いてると思ったら、自分の行動様式が変だと思われないところに行くと楽に生きられます。(経験者は語る) [On Off and Beyond]
今の自分の世界がすべてではないよね、ということですよね。
今の自分の欠点も違うルールの社会に行けば長所になるかもしれない。
逆に自分の長所が違うルールの社会に行けば短所になるだけかもしれない。
息苦しければ、違うルールの社会に入ってみるのも一つの手、ということでしょう。
[Voyage around the world]
「逃げる」というのとはちょっと違う。自分自身とより真摯に向かい合うために、そこにいてはダメだっていう時がある。意に沿わない方向へ向かう船に乗りながら現実から目を背け続けることの方が、余程「逃げ」だよね、と思う次第です。
ああ、これ良いですよね。ひさびさに読もうかしら。
梨木さんは心の中の不思議なポジションを占めている作家さんです。
Posted by: SW | September 01, 2006 at 05:59 PM
SWさん、って、なんでも読んでる気がする。すごいな。
この本、なんだか不思議にすっきりしますよね。
心の小旅行。エスケープ。
この方の本はこれしか読んでないのですが
他にも読んでみようかな。
Posted by: kush | September 01, 2006 at 07:51 PM
あと、「春になったら苺を摘みに」かな。
全作品を読んだのではないけど。
Posted by: SW | September 02, 2006 at 08:48 AM