派手なキーワードには踊らされず、こつこつといいことを書き続け、Entry数も落ちたりせず(夏から一定)、「年賀状、どうしていますか?」「2006年の思い出は、超巨大パフェとともに」といったお人柄の表れる趣味の話題も豊富、というわたしの理想のblog、MM21よりClip。こんなblogが書ける人に、わたしはなりたい。。
手段と目的を履き違えてはいけない、というのは、わたしもよく意識することで、実際よく口にもしているんだけど、このblogでははっきりそれとして書いたことはなかったみたい。なので、自分なりにちょっと考察を加えてみました。(と思ったら、結構長くなった)
なぜ手段と目的の履き違えが起こるかということについて、主に企業活動に関して言うと、複数の人数で仕事を廻す以上、基本的に“起こるもの”と考えておいた方がいいのかも。なぜなら「企業にとっての“手段”」であるはずのことが、一人一人にとっては「その人の“ミッション”」となるので、どうしても個人個人としてはそれが“目的”となってしまうから。
中には「従業員は余計なことは考えず、言われたことだけやればいいんだよ」という企業もあるだろうし、自社の従業員の扱いはそこまでひどくなくても業務を外注していたり、サービスを利用していたりした場合、相手方にそういう態度を取っているケースもありますよね。また、個人も「そんなご大層なことを考えるのは自分の仕事じゃない」と考える人もいると思います。しかし、個別の“本来手段であるはずの”ミッションに皆が邁進した結果、本来の目的とは違う方向に行ってしまうことはやはり避けなくてはいけない。これをどうすればいいのかというのを考えるときに、さらに問題を難しくするのは“目的が動く可能性があること”。今日のスピードビジネスでは、“目的”自体に妥当性があるのかも問われますよね。ゴールしたはいいものの、既に用無しとなっていた、ではいけない。
こうした問題については、どうしてもB側に行ってしまうものをできるだけA側に近づける、というアプローチとなってくると思います。社内(or外注も含むメンバー)への適切なメッセージングとその効果測定などが方法になるのでしょう。IBMなどは社内広報などもしっかりありそうな気がしますが、日本企業はどうでしょうね。特に高度経済成長期はミッションが単純であったため、文字通り“全員一丸となって”(わたしの嫌いな言葉ですが)ビジネスを行っていたため、必要性が薄かったのではないかという気もしますが、現在ではとても重要な機能だと思います。PR(Public Relations - 従来の意味での広報)や、最近メジャーになってきたIR(Investor Relations)、AR(Analyst Relations)などと比べるとまだまだマイナーな言葉ですが、ER(Employee Relations)という言葉もしっかり存在しています。仮にその部署があったとしても、どれだけ機能しているかは、かなり微妙な気がします。上が言いたいことを適当に言い散らすだけで、従業員に届いていないとか、逆にミッションとして与えられる範囲・権限が狭すぎて目的通り機能できないということはないでしょうか。真面目に働いている現場の個人のためにも、こうした機能が充実するといいなと思います。
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アクションの理由として、すごく恥ずかしいと思うのが「~~がこう言ってるから」。 「顧客が」「海の向こうのエライ人が」etc. etc. 「顧客が」だと一瞬正しいことのように聞こえるけど、実際には「こう言ってる」じゃなくて「“こういう問題がある”ことを指摘された」ということ。アクションの理由はあくまで“こういう問題がある”から。「こう言ってる」で思考停止してしまってはいけない。
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