YouTubeに50年代のNyenrodeの様子がUpされてました。基本的にほとんど変わってないのに驚きです(上の写真は現在)。もちろん、すり鉢型の講堂を備えた近代型校舎や、企業研修生用の宿泊施設など新たに追加されたものはありますが、この映像に映っている風景はほとんどそのまま残っています。
Nyenrode(Nijenrode)は、フィリップス、シェル、ユニリーバ、KLM、アクゾといったオランダ系大企業の幹部によって設立された、オランダで唯一の私立大です。オランダでは機会平等の観点から、公立大学入学に対する選考を許していないのです(ただし、それ以前の教育過程が進路別になっている。オランダの教育制度についてこちらの過去Entryを参照)が、Nyenrodeはトップクラスの企業人教育という観点から、入学時選考を行う専門教育機関として設立されました(後に大学として認定)。そのため現在のオランダ企業の幹部はNyenrode出身の人が多いです。現在はMasterコースのみの大学院となっていますが、当時は大学だったので映っている学生はたぶん今より若いはず(笑) 女人禁制だったそうで、イギリスの全寮制男子校を舞台にした映画なんかのイメージ。
一番最初に走る鹿が映りますが、いまだに敷地内(というか正門入って正面)に鹿広場があり、のんびり草を食んでいる姿がみられます。その後、12秒ぐらいから映るナイエンローデ城、56秒ぐらいから映るコーチハウス(昨年大改修が終わって外観そのままで中が綺麗になりました)、湖、ラグビーフィールド、テニス場など、いまもそのまま使われています。
特筆すべきなのが、4:30秒あたりから映る社交場。Kelder Bar(Kelderは英語でいうCellar=地下室、穴ぐら、洞窟、などの意味)で、お城の地下にあり、これも現役で学生により運営されています。ビデオの中で1人の学生が真ん中に立って何かを話していますが、これは退屈な寮生活を楽しませるためのスピーチで、この伝統も残っています。このBarを運営するクラブは、NCVと呼ばれる学生自治会に属しているのですが、それについてはまた別途お話しましょう。
関連Link:
Nyenrode Business Universiteit (英語版Wikipedia)
ナイエンローデ城の歴史(英文)