リトル・ミス・サンシャイン 公式サイト ←音が鳴ります
ヘロインとポルノ大好きで老人ホームを追い出された破天荒なおじいちゃん、自己啓発セミナー講師で独善的なお父さん、そんな父にうんざりしていて航空士官学校に受かるまで無言を貫いている息子、恋した生徒も名誉もライバル研究者に持っていかれ自殺未遂をしたゲイの叔父さん、唯一普通なお母さん、そしておなかぽんぽこりんの幼児体型&ビン底メガネながら子供ミスコンでの優勝を夢見る無邪気なオリーブ。それぞれのキャラクターが、いかにもいそうな感じで笑える。
オリーブが子供ミスコン地区大会の繰上げ優勝で本大会に出ることになったことから、このバラバラの家族が一同黄色いバスに乗ってカリフォルニアに向かうロードムービー。独善的でいちいちむかつく言動の多いお父さんや、現代アメリカで生きていくにはちょっと神経質に過ぎる息子や叔父さんが、さまざまなアクシデントを通してそれぞれの殻を破って、思いやりを持った「家族」になっていく姿がすがすがしい。わたしは特に叔父のスティーブと半ひきこもりっぽいドウェインの関係が好きです。スティーブは、他のメンバー、特に家族の中で浮き上がっている息子のドウェインを思いやることで、(当初は突然やってきた他人として気を使っているだけだったのが)徐々に家族に解け込み、いつのまにか孤独な存在ではなくなっていく。また、反抗期ドウェインにしても最初は明らかにスティーブを迷惑がってるんだけど、それまでいなかった理解者へとスティーブの存在が変わっていく。
さまざまなアクシデントに気を取られてゲラゲラ笑っていたけれど、決して目立たないが映画全体を通して描かれるこうした緩やかな変化に、気づかないうちに心を打たれていて、ラストの盛り上げるシーンでは笑いながら涙がポロポロ。。。低予算のインディーズ映画ながら、アカデミー賞4部門ノミネート、2部門受賞ということですが、確かに映画らしい良い映画でした。
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2007/06/02)
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